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· 5 min read

子供向けでシンプルながらしっかりと構成されていて視聴後感が良かった。

ストーリー

大まかな流れはシンプルで、ゲストキャラとドキンちゃんが交流して、ばいきんまんがなんか悪いことしてアンパンマンがゲストキャラと協力してそれを倒し、ゲストキャラが去る。

興味深かったのは「雲」という存在の位置づけを丁寧にやっていたことだ。

  • 不定形な存在であり、いろいろな姿を持つ
  • 雨を降らし、地上に恵みを与える
  • 黒雲は太陽を遮り雷を落とす

これらの描写をしっかりやっておいたことで、最後にフワリーと別れるシーンがバチっと決まる。フワリーのように見える雲が雨を降らしドキンちゃんの花を育てるが、その後太陽の光を地上に届けるためには雲は去らなくてはならなかった。

アンパンマンあまりやることない

アンパンマンはゲストキャラとの交流がそれほどなく、もっぱらばいきんまんを倒す役割だった。それだと不足だと思ったのかドキンちゃんとすれ違っているフワリーと話して友情を取り戻させるシーンがあるが、やや唐突に思える。「僕の顔を食べて笑顔になった人はみんな友達」という主張はちょっと怖い。

子供向けだからシンプルな方がいいのかもしれないが、ばいきんまんが特に理由なく悪事を働き、アンパンマンが自明な正義としてばいきんまんを殴って解決するという流れはあまり好きになれない。

テクニカル

作画

冒頭ノルマのダンス。相変わらず作画かCGかわからないダンスだ。キャラデザがシンプルなのでCGでも作画に見えるのだろう。

雲というのは不定形なものなので、手描きアニメーションと相性がいい。雲の子たちがレインドロップから雲を生み出すシーンや、雲の子馬から小さい雲を作って配るシーンが良かった。

フワリーの本音を聞いてドキンちゃんが重大な気づきを得るシーンで1コマを使ったり、バトルのクライマックスで背景動画を使ったりと、アニメの構成上重要な箇所を強調するように作画技法が使われており、基本に忠実だと思った。

背景

雲がテーマのアニメなので当然だが雲の描き方が面白かった。マッスを持って縦方向に膨らむ雲と、水平方向に細長くたなびく雲の対比によって、空の広さを感じさせるようなレイアウトになっていた。

小ネタ

  • バイグモラって名前なんか笑っちゃうよね
  • フワリーのデザインちいかわっぽい(トラブルメーカー体質も?)
  • 戦闘中に躊躇なく目潰し狙うしょくぱんまん・カレーパンマンで笑った
  • 巨大アンパンマンvsバイグモラの流れは戦隊ヒーローの様式っぽさがあった
  • 雲の子馬にフワリーとドキンちゃんが乗ってバイグモラと高機動戦闘するの、これって閃光のハサウェイじゃん

· 2 min read

友人が映像が気持ちいいと言っていたのでテレビシリーズも総集編も全く見ないまま挑んだが、何もわからなかった。俺が悪かった。許してくれ。

ストーリー

演劇の学校の卒業を控えた女の子たちが、やっぱり心残りあるわということで(精神世界で)殺し合う物語。大部分が精神世界で進展するので、なんで今そう思うようになったかわからなかった。

『さらざんまい』と似ていて、要はウテナの系譜なのだろう。意味がはっきりしない意味深な抽象描写は苦手だ。

テクニカル

  • 冒頭の東京タワー崩壊→地面に格子状の模様→線路でしたというイメージの流れが美しかった。

  • T字型のパーツはサイコフレームだったね。

  • 作画的には天堂真矢vs西條クロディーヌがよかった。

· One min read

エーニャラシエールトビエヘールダモー

デセスペラーキャリーアモリー

ウィーヤワダードジャウィーパパラー

ペロコーリーウリーレキャントー

クォーンドスーカンシオウェーダースクーチオー

ハリスタンテッセセンティオフェリース

スーベジョカンテーネルヒーヤーレディオー

ヒヤモール パラビヴィール

ラララーララ…ラララーララ…

キャラウォーラセケルスーカンムーノー

ラララーララ…ラララーララ…

ジャセバイコリブリーセーフェカンダンドー

ノーボルーベラー…

· 2 min read

話はあんまりわからなかった…まあそれはガンダムだから別にいいんだけど、画面が暗くてもったいなかった。

ストーリー

ギギ・アンダルシアの魅力がよくわからなくて、だからダバオ急襲時に彼女に心を乱されて手はず通りに逃亡せず、味方を捕虜に取られているのを見てなーにやってんだと思ってしまった。そういうものを「断ち切る」のがテーマだとするのならば、ラストのVSペーネロペーではガウマンを無視して撃つべきだったはず。

タクシーの運ちゃんに煽られてピキピキしてるハサウェイで笑ってた。ちょっとは感情隠せよ。

テクニカル

作画

全編めちゃくちゃ上手い。けど上手い作画は飽きるんだよね。おそらく労力ほどは嬉しさはなくて、芸術的満足の領域だと思う。Ξ起動のシーンはかっこよかった。

撮影?

画面が暗い。ΞVSペーネロペーは最大の見せ場だったはずだが、画面が暗い上に2体のフォルムが似ていて、かつパイロットもヘルメットをしていてとっさに誰か判別しにくいので何をやっているのか全然わからなかった。ビームライフルを囮にしてどうのこうのって初回視聴リアルタイムでわかった人いるんだろうか?

· 8 min read

『さよならフットボール』(新川直司)が原作。続編である『さよなら私のクラマー』の映像化はテレビで2021年4月から放送中。この映画は4月1日に公開されるはずだったが、コロナ禍の影響で6月に延期された。本来は作中の時系列通りに映画を見てその後テレビシリーズを見ることを想定していたのだろうが、この延期によって高校生編の後に中学生編を見ることになってしまった。

この延期によるテレビシリーズへのダメージは大きかったと思う。主人公である恩田希の原点・行動原理などがわからないままテレビシリーズを見ても全く理解できない(恩田がサッカー上手いという事実すらよくわからない)。また、区切りのいいところまでを1クールでアニメ化するという要件もかなり厳しいものだったようで、尺を埋めるためのアニメオリジナルシーンの挿入や引き伸ばし演出が目立つ。シリーズ構成の高橋ナツコはしばしば原作クラッシャーなどと悪しざまに言われるが、少なくとも今作については難しい仕事をなんとか形にしており、苦労をしのびたい。

どうしてこういう背景事情の話を最初にしたかというと、あまり出来の良くないテレビシリーズを見てから映画を見たせいで相対的に非常によく見えるという体験をしたからだ。だから以下のレビューはすこし差っ引いて読んだほうがいいよ。

ストーリー

とにかく話がわかりやすい、何がしたいかわかるというのが素晴らしかった。

ナメックが恩田に「女の体じゃ勝てねえよ」みたいなことを言うシーンはいろいろな感情が想像できてよかった。体がぐんぐん大きくなる中学生の時期だから、ある程度は本気でそう思っていたのだろう。男子ばかりで厳しい練習に耐える部の雰囲気がそういう考え方を醸成したということも想像できる。さらに、恩田に対する思慕もまた原因だろう。たくさん練習して強くなった自分を見てほしい、(後輩の前だったので)今は自分も「親分」のような立場にあるんだという誇らしさも。

一番良かったのは試合前半部分で恩田がナメックのプレーを見ているシーン。成長したナメックの強さを映像でもセリフでも表現し、恩田の感情がどんどん高まっていく。特に外に出たボールが恩田に転がってきてナメックと睨み合うシーンはすごい迫力だった。それに対して強行出場後の試合後半は(原作者の癖だと思うのだが)展開が盛り上がるほどにモノローグが増えてスピードが落ちていくのがもどかしかった。

順平はひどい目にあっているが、彼は男で来年は確実にもっと強くなる。今年出場のチャンスを逃したのは大した問題ではない。それに対して希にとっては中2の新人戦は最後のチャンスだった。この試合に出たところで既に男子には勝てなくなっていたのでナメックに対する私怨を晴らすことはできなかったが、夢のあるサッカーを見せつけて歓声を浴びる体験は彼女のサッカー観を変えて(あるいは初心に戻して)今後のサッカープレーヤーとしてのキャリアに大きな影響を与えた。さらに鮫島監督にも恩田の新しい役割を認識させ、そのサッカー観を変えた。1年後だったら恩田はここまでのびのびとはプレーできず、このような気づきを得ることもなかったのだろう。

「勝てるサッカーとは別に夢のあるサッカーがある」というような話はテレビシリーズにもつながってくる。というか先に知らないといろいろわからない。

テクニカル

作画&CG

サッカーというのはアニメで描くのが難しい。広いフィールドの中での選手のマクロな位置関係と、各選手のミクロなテクニックの両方を描く必要があるからだ。本作ではCGを取り入れてミクロ-マクロのシームレスな転換、さらにダイナミックな主観視点をも実現している。CG自体には拙さも感じるが、サッカーをどうやってアニメ化するかという問いに頑張って答えを出している。サッカー考証は大草芳樹、サッカー演出は石井輝。

作画もかなり頑張っていた。特にキャラクターの現在と過去が交錯しながらのサッカーシーンは物語の盛り上がりと相まって素晴らしい迫力だった。ものの形を変形させるという、本来手書きアニメーションが得意とする表現力が発揮されており、正確な描写を得意とするCGとの良い対比でもあった。

細かい話だが、恩田の超絶技巧でナメックが何をされたかわからないところではちゃんと映像も省略されていて、ある意味で筋が通っていた。

· 7 min read

とてもよかった。

ストーリー

キクコと肉子の日常生活が描かれる。メインのキクコの視点は低めの温度でしっとりと描かれるが、肉子がいつも激しく動いていて騒がしいので全体としてローテンションではない。キクコが肉子やサッサン、マリア、二宮との関わりの中で少しずつ成長していくところが十分面白かったので、キクコと肉子の過去で一山作って大団円みたいな流れは少々不自然に感じた。急に作品の核心のようなテーマをキャラクターがベラベラ喋りだしてしまった。言葉で言われちゃったらそういう映画なんだなって思ってしまうじゃん。のんびりどんよりしているところも面白かったのに。

女の物語

序盤にキクコが自分の肉体をまだ女性らしくならないと評するシーンがあり、生理が来て終わる。この点に注目すれば女の物語として見ることもできる。

肉子は女だ。女の体を売り物として生計を立てていたし(イメージ映像に出てくる大量のキノコは強烈だった)、恋多き女でもあった。みうにとっては姉であり、成り行きで母にもなった。みうの妊娠中は夫や父っぽい立場でもあった。紆余曲折ある人生だが肉子に屈折したところがなく、いつも肉子らしく全力で生きているので気持ちいい。肯定的だ。

ここまで書いて気づいたけど、これ原作は小説なんですね。肉子をこのような極端なデザインにしたことで原作のテイストが変わってしまっていないのかは気になった。原作ファンではないので深入りする気はないが…。

異常の物語

二宮の「癖」がクラスメイトに嘲笑されるという定番のシーンがない。キクコは驚きはするが受け入れて普通のこととして話題にしている。嘲笑の意図なく真似してどんな感じなのか知ろうとする。二宮が寿センターで箱庭療法を受けている話も別に秘密ではなく、(物語上特に重要ではない)桜井と松本も知っている。この辺りの温度の低さは特徴的だ。

肉子の尋常ならざる振る舞いも街では単なる有名人として受け入れられている。キクコも実は妙な癖があることが最後に明かされるが、これも誰かに何か言われるわけでもない(だから視聴者は最後まで気づかない)。みんな当たり前のように一緒に生きている。

メインカルチャーの大手である吉本興業だが、21世紀にはちゃんと21世紀っぽい作品を作って出してくる辺りさすがにしたたかだなと思った。対してかつてサブカルチャーだったアニメは今でも「サブ」を提示出来ているんだろうか?

テクニカル

作画

全部上手い。肉子はコミカルに、キクコは繊細に。2人が似てないことを絵で表現し続けたからこそ後半の展開が成立した。二宮の「癖」(チック?)をキクコが真似するシーンもちゃんと表現の強さに差がつけられていて、止められない癖と意図的な真似の違いが表現できていた。この差もまた、物語の中では重要だったはずだ。

現在の肉子のコミカルな動きの描写が、過去回想に入っていくところではそのままストリッパーの動きのイメージに重なる。振れ幅の大きい物語を映像の力を頼りに接続して一本の映画にまとめ上げているのは渡辺歩監督のベテランの手腕だろう(この映画を見てやっと『海獣の子供』の見方がわかってきたみたいなところある)。

音楽

一人ひとりの演奏が絶妙に聞こえたり聞こえなかったりするアレンジの塩梅がちょうど僕好みで良い。使いどころも厳選されていてよく効いている。音色の変化が多彩でメインテーマが様々な顔を見せる。アコーディオン(田ノ岡三郎)が目立つ曲が多い。ちなみにもう配信されている。

その他

パンフレットが非常に充実している。制作スタッフコメントは驚きの48人で、特に役職のない原画からも13人のコメントが掲載されていた。内容も有益なものが多く、かなりしっかりと構成・編集しているようだ。同じく4℃と吉本で作った『映画 えんとつ町のプペル』のパンフレットもそうだったので、クリエイターをブランディングしていこうという方針なのだろう。良いことだ。

· 9 min read

ストーリー

原作はpixiv で読める分だけ既読。後半のオリジナル部分で原作のコンセプトの正反対を行ったので混乱したし、平凡になってしまった。

独善性 vs 社会性

原作ではポンポの繰り出す簡潔で強烈な映画論と、オタク気質のジーンによるこだわりの追求がすべていい方向に作用していくシンプルさが楽しかった。ポンポが舞台装置としても機能し、バックで面倒なことは全部処理してくれて、かつポンポが選んだジーンは失敗しないだろうという信頼があったからこそのシンプルさだ。

その一番強烈な具体例は原作だと最後に位置している編集のシーンだ。コルベットの「誰か一人その映画を一番見てもらいたい誰かのために作ればいいんだ」というシンプルなアドバイスに従い、ジーンは大量の素材を90分にまで切り刻んでしまう。ポンポただ一人のために、多くのスタッフとともに苦労して撮影した素材のほとんどを捨てるという独善的な狂気こそがジーンの才能であり、映画監督に必要な資質であるという話だったはずだ。

一方アニメでは「映画はみんなで作るもの」というコンセプトが加えられている。たとえばジーンのアイデアに現場のスタッフたちがアイデアを足して作られたヤギのシーンや屋根から落ちるシーン(ややこしいが、シーンを撮影するシーンである)などは、そのコンセプトに従って付け加えられたものだ。

後半のオリジナル部分では追加撮影のエピソードでスタッフ・役者・スポンサーを集める苦労にフォーカスし、プロデューサーに土下座する、試写に間に合わなくてスポンサーに怒られる、銀行の重役達を動かすために搦手を使うなど、人を動かす能力が試されるシーンが多かった。また、ジーンが映画を作る目的も「全ての人」(正確な言葉を覚えていないが、世界中のあらゆる困難に立ち向かっている人間をイメージさせるシーンがあったはず)に変わってしまった。それでいて前述のコルベットのアドバイスはカットされず、むしろアニメ化に当たってピント送りの演出を用いて強調されているのだから、どっちが本当に言いたいことなのかわからなくなっている。

ポンポがジーンをアシスタントに選んだのは、ジーンが「社会に居場所が無い人間特有の追い詰められた目をしてる」からだ。そこに続く「社会と切り離された精神世界の広さと深さこそがその人のクリエイターとしての潜在能力の大きさ」というセリフからもわかるように、とかく協調性・社会性・コミュニケーション能力がもてはやされる世の中だがクリエイターに必要なのはむしろ独善性であるという主張が原作の面白いところだったのだが、アニメのオリジナル部分は結局コミュニケーション能力がないとやっていけないという話になっている。もちろんこれも一面の真実だろうが、原作の鋭さに比べるとずいぶん牙を抜かれた印象になってしまった。最後の「捨てる」話の辺りは見ながら整理しきれなかったので実は上手く止揚してたのかもしれないけど。

ちょっとメタな視点に移ると、もともとアニメの原作として企画したがボツになって個人的に描き上げた原作のマンガが上述のような思想を持っている(マンガも2巻以降は社会性要素にフォーカスしているらしいが、読んでないので知らないし、それは出版社が入って出版されてからの話ですよね?たぶん)こと、そして改めて企画が立って多数のスタッフの共同作業によってアニメ化された方はコミュニケーション能力の重要性にフォーカスしているというのは、制作体制がストレートに作品に反映されているという点で興味深い(所詮一人じゃ何も出来ねえんだよというマジョリティからの悪意のようなものを感じなくもないが…考えすぎかな)。

原作者がアニメには関わっていないと強調しているのもその辺りの考え方の違いを前提としているのかもしれない(このツイートの中でも「非共感的」な方が良いと言っていて笑ってる)。

その他

ジーンが追加撮影を求めるシーンで、ポンポは「スタッフをもう一度集めるのは誰か」「役者をもう一度集めるのは誰か」「この脚本を書いたのは誰か」と問いかける。この3つ目がよくわからない。脚本を書いたのはポンポだから、ジーンは要するに「お前の脚本は不完全」って言っている。そこでポンポがジーンを責めるような口調なのはよくわからない。

テクニカルな話

作画

劇場作品のアベレージより上。全部良かった。泥を投げ合うシーンが特に上手かった。あと極上ヤギ作画。

音楽

クラシック音楽の演奏は本格的で良かった。既存の音源かな?

演技

ジーン役清水尋也は結構良かった。いかにも俳優が声優やってますという感じの不安定さがいい味だった。

ポンポ役小原好美はキャリア初期に感じた「舌っ足らずで抑揚に乏しいナチュラル感」という武器をすっかりコントロール可能にしていてすごい。

ナタリーの祖母として谷育子が出演しており、次見るときはもっとちゃんと声を聞きたい。

その他

パンフレットには主要スタッフの他に演出の居村健治、編集の今井剛のインタビューがある。

· 7 min read

※本記事内の画像はアニメ『アイ★チュウ』第2話より研究のために引用したものであり、それらの権利はエルドール広報課に帰属します。

アイ★チュウ2話は3つのエピソードが並行する。

  • A. 星夜とノアの過去と現在
  • B. I♥Bが結束する
  • C. ArSのアキヲがアイチュウに楽しみを見出す

こういうとき、3つのエピソードが関わり合って進んでいくのが定番だが、この話数ではAとBが結びついている一方でCは浮いている。

AとB

AとBのキーワードは「一緒に歌う」だ。

ノアは星夜と一緒に歌った経験からI♥Bを結成したが、上手くいかない。ネットでは音楽でだけつながっていることができたが、現実に同居してアイドルグループを結成するとなるとお互いの距離感がうまくつかめない。

夕食にはそれぞれの母国の料理が供される。豪華な料理を5種類バラバラにつくるのは大変なことであり、その手間の大きさが逆説的に5人の心理的な距離の遠さを強調する。

そこでノアは敢えて音楽とは関係ない共同作業として料理を提案する。できたカレーはまずいが、I♥Bの結束は強まった。この変化は演奏シーンの演出で表現されている。

before after

  • 全員が同じ方向を向くのではなく、円形に互いの姿が見えるような配置に変わっている
  • カメラが接近し、パースが強くなり、アングルがアオリに変わっている
    • 視聴者が5人の演奏に加わっているかのような臨場感
    • 画面上で5人の立ち姿が平行だったのが放射状になり、絵的なまとまりが強くなった
  • 演奏中にアイコンタクトしている(アイコンタクトの描写ははbeforeでもあるが、増えたと言っていいだろう)

演奏シーンはこの作品にしては相当頑張って動かしていたし、楽器の描き込みも多い。ちゃんとここを見せる必要があるという演出意図に基づいてリソースが配分されており、良い。

こうして理想の音楽を取り戻したノアに対して改めて星夜が思い出を語る。数日間の話であるエピソードBの終着点が数年越しのエピソードAと重なる美しい構成だ。

C

これに対してエピソードCは浮いている。

アキヲがI♥Bの練習に乱入してしまうシーンがあったが、特にお互いの考え方に変化をもたらさなかった。存在価値がわからないシーンだ。

もう一つ、I♥Bのカレーシーンの直後に対比のようにArSが虎彦のお土産のお菓子を食べるシーンがある。これもあまりよくわからないのだが、敢えて意味を見出すとすればBは「メンバーがグループを強くする」エピソードであり、それに対してCは逆に「グループがメンバーを強くする」エピソードなのかな。いろいろなグループ、いろいろな関係があるよという話か。

もうちょっとAやBと上手く絡めて構成できればと思った。

構成(おまけ)

アバン

  1. ノアの回想(with星夜)

  2. F∞Fのレコーディング

  3. 星夜とノアの再会

A

  1. 星夜とノアの再会(続き)
  • (ノアは)どうしてアイチュウになったんだろう
  1. ArS紹介
  • アキヲだけが焦っている
  • こんなユニットあり?
  1. F∞F写真撮影
  • ノアはどうしてアイチュウになったんだ?校長のスカウトだよ
  1. I♥B練習
  • ギスギス
  • アキヲが乱入
  • 服を直す
    • アイチュウやっていく自信がなくて
    • わかります、俺もないんです、自信
  • やる気のないやつは出ていけ
  1. アキヲ、森へ脱走

  2. I♥Bホーム

  • それぞれの国の料理
  • バラバラだ…
  • リーダーとして踏ん張りどころでは
  1. アキヲ退学届

  2. I♥Bホーム(朝)

B

  1. I♥Bホーム(料理)
  • カレー作り
  • 「みんなで同じ料理を食べたいんだ」
  • 「イギリスはインドと縁が深いからな」
  1. アキヲ退学届提出失敗

  2. I♥Bホーム

  • カレーがまずい
  1. ArSホーム
  • 虎彦のお土産食べる会
  • アキヲの自己開示
  • 「面白い!」
  1. ArSレコーディング
  • 「この人たちめちゃくちゃだ。でもこんな自由でキラキラしてるユニット他にないかも」
  1. F∞F CD完成

  2. I♥Bレコーディング

  • 「音楽は一人でもできるしどの国にいても曲は作れる。でも、近くにいる誰かと響き合えれば、もっといい音楽が生まれる」
  • 星夜突入
    • 「誰かと一緒に歌うのってすっげえ楽しいって」

C

  1. アキヲが退学を思いとどまる

· 20 min read

作品賞: ブレーカーズ パラ水泳

  • 拓(CV:永塚拓馬)
  • 智(CV:加藤渉)
ブレーカーズ パラ水泳(1)

9分×4話×4シリーズで構成されるパラスポーツアニメ。NHKの教育コンテンツなのでネットで見られる(4-4は配信準備中とのことだがゴニョゴニョすると見られるゾ)。エピソードごとにキャラクターもスタッフもガラッと変わるのだが、第4シリーズの『パラ水泳』では渡邉祐記が監督・キャラクターデザイン・演出などをマルチに担当し、猛烈な美少年作画を繰り出している。

キャラ作画のみならず、演出も水泳作画も全体的にハイレベル。声の演技もキャラクターの成長を加味して上手くやれていたと思う。

ちなみに第3シリーズのゴールボール編も名作で、主人公エミがゴールボールに楽しさを見出していく様子を上田麗奈が本当に楽しそうに演じている。

キャラクター10選(放送時期順)

源光(CV:千葉翔也)―『地縛少年花子くん』

中学3年生。ヒロインは高校1年生なので年下枠。女性オタクを意識した作品のようで、少年キャラはみなほどよく男らしい体つきをしつつも、年齢相応の儚さやかわいらしさもあって、いいよね…。

立ち位置としては寧々の2人目の男であり、寧々と花子くんの関係を引き立たせる役割が多い。そのため花子くんとは対照的に性的なことには興味がない。また、兄の輝と比べると未熟で優しい。

アニメと原作を両方チェックすると自室にティッシュに見えなくもないものが置かれており、メイビー・ティッシュとする。

木曽トラ(CV:白井悠介)―『うちタマ⁈ ~うちのタマ知りませんか?~』

トラに限らずタマもポチもベーもゲストキャラもみんなかわいくて大変ショタフレンドリーな眼福アニメだったが、ここではトラを挙げた。ベースになるキャラ設定がシンプルな分、各エピソードで様々な姿を見せてくれたと思う。なかでもシャブ漬けと異種姦は強烈。

『うちタマ⁈ ~うちのタマ知りませんか?~』は安定したキャラ作画とうえのきみこを筆頭とした脚本陣のやりたい放題が楽しいアニメだった。放送時間の関係(なにかと被っていた?)で見ていた人間が少ないのが惜しい。

クリムヴェール(CV:富田美憂)―『異種族レビュアーズ』

両性具有なのでショタ枠に入れていいのかかなり迷ったんだが、本人も言うとおりついてるのでヨシ!

作品が作品だけにド直球のエッチシーンが盛りだくさんで、そういう意味では安直なチョイスなんだが、巨根ショタがだんだん堕ちていくというのはやはり良い。富田美憂はご愁傷さまです。

仁科明(CV:山下大輝)―『メジャーセカンド』

あーこれエッチすぎですよ。男としての体ができ始めていて顔が良くて鼻っ柱が強い1年生ピッチャーとかいうの、低身長策士系キャッチャー2年生キャプテンとの相性が良すぎる。無限の可能性を感じる。

女子ばかりのチームでは中学以降男子には勝てなくなっていくというのがこの作品の軸。そんなチームのただ一人の男子(大吾は女性声優で声変わりも精通もしてないのでノーカン)なので、周りの女子からは普通以上に「男」として見られているわけですよね。少年から男に変わっていく過程を部活の女たちにじっくり観察されているというのは、エッチだよね。童貞は関鳥さんにもらってもらおう。

南川朝陽(CV:小林裕介)―『ミュークルドリーミー』

カークン(CV:高垣彩陽)『のりものまん モービルランドのカークン』

元気いっぱいの運送屋の男の子。この世界の生命体はみんな車を模した形をしていて、どこか不安になる。カークンを見ているとなんとなくケツをバーンとぶっ叩きたくなってくる。なってきませんか?ゆ虐に近い感覚なのかなあ。そういう趣味はないんだけど。

フィリップ(CV:上村祐翔)―『もっと!まじめにふまじめ かいけつゾロリ』

科学者。羊の獣人。たぶん年齢的には大人なんだけどめちゃくちゃ性欲が強そうなので入れてしまった。めちゃくちゃ性欲が強そうなビジュアルしてませんか?

気弱で学者気質の知性派で声も細くいかにも性欲は弱そうなのに、好きな食べ物と同時に目に入る女性をいつしか好きになってしまうというのは単純で本能的だ。

これは私のショタ観の話にも関わってくる。私にとっては「自らの性欲を上手く乗りこなしていない」ならショタだ。こういう知性が高いのにすごい性欲強くて毎晩ベッドに股間をこすりつけてそうなケモノ野郎はね。良いね。「羊 ペニス」で検索するのはやめろ。

ハビブ(CV:小田久史)―『アサティール 未来の昔ばなし』

家から貨幣が流れ出してくる衝撃映像が『ハルチカ』じゃん!と界隈を震撼させた問題作。悪い友達に金を渡してはいけない、怪しい投資話には気をつけよう、仕事は真面目にやれという話。やっぱり手に職だな〜。

『アサティール 未来の昔ばなし』はサウジアラビアのマンガプロダクションズと東映アニメーションの共作(と言っても実制作はほぼ東映のようだ)。石油王がどうのこうのというのはオタク間の定番ネタだったが、『フリージ』といい『アサティール』といい、もはや現実の話だ。金があるとアニメを作れるし、それによって文化を広めることができる。

しんちゃん(CV:木戸衣吹)―『どうにかなる日々』

5年生で夢精してパンツ洗い、性欲強めの彼女の迫られてるのに中2でまだ何もしてないし、おまけマンガによるとその後もしていない。何やってるんだコイツは。

詳細は個別記事を参照のこと

ココ(CV:上白石萌歌)―『劇場版ポケットモンスター ココ』

前情報でショタアニメなのはわかっていたが、キッズアニメなので特にそういう描写はなし。せいぜい股間おっぴろげくらい。健康的でよろしいですね。

ヒトのペニスって他の動物に比べてデカいらしいですね。そもそも育ての親のザルードには生殖器はあるのか?

10歳で旅に出たわけだけど、人間の言葉がわかるわけではないし、誰からも性の知識を教わる機会がなさそう。そもそも人間に欲情するんだろうか。謎は深まるばかりだ。

次点

レギュラーモブC(CV:小林大紀)―『異種族レビュアーズ』

ケモ耳・薄着の彼。異様にエッチなビジュアルで笑っちゃうんですよね。幼く見えるけど風俗レビュー見て参考にしているようなのでそれなりに遊んでるですかね。

カンチャル(CV:湯浅かえで)―『異種族レビュアーズ』

厳密にはショタじゃないってのはわかってるんだけど、ペニスが小さいので。小説版だと活躍している。

河原ベー(CV:内田雄馬)―『うちタマ⁈ ~うちのタマ知りませんか?~』

声がエロい。

岡本タマ(CV:斉藤壮馬)―『うちタマ⁈ ~うちのタマ知りませんか?~』

斉藤壮馬ショタも結構イケますよね。ちょっととぼけた感じと腹筋強そうな安定感のある発声のギャップが好き。それにしてもかわいい猫(意味深)を人間化して男性声優つける企画邪悪だなあ。

花子くん(CV:緒方恵美)―『地縛少年花子くん』

この作品の男の子はだいたいかわいい。寧々との交流の中で年相応の少年らしいところが垣間見えるの、良いよね…

間様人(CV:石谷春貴)―『群れなせ!シートン学園』

マコト(CV:青山吉能)―『社長、バトルの時間です!』

本編では特に何も感じなかったんだけど、pixivに異様な情熱でマコトのエッチ小説書いてる人がいて感動した(?)。

ヴェンデリン(CV:石上静香)―『八男って、それはないでしょう!』

石上静香も安心感がある少年声声優ですね。

ギル(CV:三瓶由布子)―『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』

なろう小説特有の施され枠。忠犬。マインがどんどん下剋上していく話なのでだんだんフェードアウトしていく。悲しい。

帆高夏海の弟(CV:なし)―『放課後ていぼう日誌』

出演してないキャラクターを取り上げるのは初めてなんだけど、帆高夏海との共用部屋にあった制服とティッシュが異様な存在感を放っていたので。

日之出賢人(CV:花江夏樹)―『泣きたい私は猫をかぶる』

『泣きたい私は猫をかぶる』の性のメタファー

リョウマ・タケバヤシ(CV:田所あずさ)―『神達に拾われた男』

褒められたいおじさんの願望の具現化。欲望の発露の描写をマイルドにするためにショタを利用するのやめませんか?

話はのんびりしていて、考えればツッコミどころはたくさんあったけれど、ボーッと見ている分には不快感もなく終わり方もきれいで、ある意味でいいアニメだった。

由崎星空(CV:榎木淳弥)―『トニカクカワイイ』

勃起したペニスが小さいという情報が視聴者に開示されるキャラクターはそうはいない。

アラン・スティアート(CV:田村睦心)―『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』

安心・安定の田村睦心ショタ。

万幸(CV:花江夏樹)―『兄に付ける薬はない!4-快把我哥帯』

ペニスを見られたくない中学生(飛び級なので実質小学生)。高校生の肉体に混ざるのは確かに恥ずかしいかもしれない。

ビート(CV:梶裕貴)―『もっと!まじめにふまじめ かいけつゾロリ』

ガキが百戦錬磨のゾロリ先生に勝てると思ってんのか?

トンポ/Tinpo(CV:加藤ルイ)―『ポータウンのなかまたち』

日本語化するときに日和って名前を変えるな。

黒羽文弥(CV:加藤英美里)―『魔法科高校の劣等生 来訪者編』

お兄様、男の子まで従えてるのかよ。でも絶対姉にめちゃくちゃ性的なおもちゃにされてますよね。

ユリス(CV:水橋かおり)―『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』

病気で死ぬ。病弱ショタはよい。京アニのショタは声もよい。

リュカ(CV:佐藤利奈)―『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』

男かよ!となった。リュカという名前は男の名前らしい。聖書のルカかな。貧乏ショタもまたよい。

知花実央(CV:松岡禎丞)―『海辺のエトランゼ』

若いうちに粉をかけておいて、合法な年齢になってから頂いちゃうやつ。成長してからもかわいいままでよかったね…

情事シーンの松岡禎丞の喘ぎ声は一聴の価値ありです。エッチすぎ。

所感

書くのに苦労した。2018の『キャプテン翼』、2019の『星合の空』のような1作でショタを大量供給するアニメがなかった。見てなかっただけかなあ。あるいは僕の趣味が変化しているのか。あとから振り返るのは大変なので日常的に記録をつけたほうがいい。

エロをはっきりと描いた『異種族レビュアーズ』『どうにかなる日々』『海辺のエトランゼ』が入った。『海辺のエトランゼ』のようなBLアニメは以前からあったものだろうが、前2者、特に『異種族レビュアーズ』がテレビ放送されたのは大きい出来事だっただろう。波乱も大きかったが。

「転生するならショタに」という流派があるようだ。『八男』『神たちに拾われた男』に引き続き来期以降も『無職転生』がある。「子供なのにすごい」というパターンにしやすいのかな?

2021年もよいショタライフを期待したい。

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いいアニメだった。とにかく脚本の質が高い。ストーリーの根幹は王道だし、細かい描写が後のストーリーに活きてくることが多くて構成をかなりきちんと考えていると感じた。出したキャラクターを無駄にしないし、キャラクターの心境の変化がきちんと行動に現れるような筋書きになっている。当たり前に見えてなかなかできることではない。

貨幣に期限を…辺りの話は西野亮廣の価値観なのかなと思ったけど、ストーリーに影響を与えるわけでもないしアクセントとしては良かったと思う。

話がきれいにまとまっていて映像も美しくかったという作品は満足感の割に書くことが少なくなりがちなんだけど、最近見たココ・ジョゼ・プペルの中だとプペルが一番満足度が高い。それくらいよかった。

あと小ネタだが、パンフレットはかなり多くのスタッフの文章が載っていて読み応えがある。

映像

ストーリーとのシンクロ

煙に覆われた街で星空を見るというストーリーに説得力を持たせるためには、これもまた当たり前のことだが、煙で覆われた街は汚く、星空は美しく描かなければならない。4℃の画面のクオリティは予想以上だった。ずっとごみごみした人工物だらけの街並みを見せられていたので、煙が払われて星空や崖、森が見えるシーンは感動的だった。

演技

会話のセンスがいい

単純にお互いの状況を確認するための声掛けでも、返答の仕方にひと捻りがあって気持ちがいい。

声の出演は専業声優は少なく、俳優と芸人が多い。演技が未熟だと感じられることは全くなく、むしろそれぞれキャラに合っていてよかった。

プペル役 窪田正孝

とぼけた話し方の中に信念や友情などが感じられる名演だった。パンフレットに載っている写真を見て、このイケメンがあの声を出してるのに驚いた。

スコップ役 藤森慎吾

当て書きだったとのこと。確かにそうでなければ成立しないキャラクターだったし、高い喋りの技術で期待通りの演技をこなしていた。冷静に振り返るとシーンの流れを止めているしストーリー上もやや唐突感のある役割のキャラなんだけど、演技の迫力で押し通すだけのパワーがあった。