ネタバレあります。
映画自体は大して良くはなかったが、2022年3月の今まさにロシアがウクライナを攻撃しているせいでこの映画を見るのが異常な体験になっている。
いつものドラえもん映画と似たようなことをやっているのだが、同じ気持ちでは見られない。子どもたちがそんなに簡単に戦いに参加していいのか?のび太たちがアジトの場所をバラしてしまったせいで自由同盟は数人死んでいるのでは?など。まあそういう話はツイッターで検索すればいくらでも出てくるので僕が書く必要はない。
それにしても、本物の戦争を体験してきたにもかかわらず最後に戦争映画を作って上映会して盛り上がるという終わり方は正しかったのだろうか…?
ギルモアの不信・倫理と忠誠
僕が面白いと思ったのはギルモアが誰も信用していないので戦力として有人機ではなく無人機を使うという設定だ。このためギルモアは自由同盟の本部の破壊に失敗している。
最後にギルモアが逃亡するときの車の運転手もロボットだった。道に市民たちが集結しておりロボットは車を停めて逃げ出したのだが、このシーンは興味深い。
このロボットは人間を轢いてはいけないという判断ができ、それをギルモアを逃がすという目的よりも優先できた。「ロボット工学三原則」だろうか。筋金入りの悪の組織ならそこも書き換えてそうだけど、そうなっていなかったのはなぜだろう。急ごしらえの組織だからTESLAのAIをそのまま使ってたのかな?
もし忠誠心の強い部下に運転させていれば市民を轢いてギルモアを逃していただろう。そう考えるとロボットには倫理があり、人間には忠誠心がある。ギルモアは人間の忠誠心を信じられなかった結果ロボットに頼り、倫理に反することができずに敗北した。