『ハヤカワさんの子牛』
脚本:雪室俊一
絵コンテ:西村則男
演出:佐藤豊
作画監督:吉崎誠
仕上:中沢邦夫
美術:佐藤博
「アイスが固まる」と聞いて鎌足を「かたまり」と言ってしまうカツオ。花沢がハヤカワ家でアイスを食べたときの話。カツオ「なんで呼んでくれないのさ」花沢「女の子同士で話したいときもあるのよ」。食べ物の話に食いつく子供っぽいカツオに対して、性別を意識した花沢さんのこの返しは、男女の発達に差がある時期を巧みに切り取って表現している。ハヤカワは牧場で新鮮な牛乳を手に入れていた。磯野家の夕食、カツオは「みんなで行ってくるといいよ」「僕はハヤカワさんにじっくり案内してもらおうと思うんだ」。花沢さんとの意味深な会話の後でも無邪気にハヤカワさんに憧れてるカツオ、ホント子どもだ…。花沢に呼び出され花沢不動産に行くと、花沢は今度牧場に行くが、ハヤカワは行かないらしい。以前名付けた「姫子」(オス)が他の牧場に出荷されてしまうのが悲しいから。ワカメ「お兄ちゃん牛じゃなくてよかったわね」。結局花沢・カツオ・サザエ・タラオで行くことに。着くとすぐに姫子の出発に居合わせるが、みんなで目をつぶって想像していることにして(!??!?!?!)ハヤカワに報告。新鮮な材料で作ったアイスは美味いがハヤカワに嘘をついたカツオは「ほろ苦い」と感じる。花沢とカツオで嘘をついた罪悪感を共有しているとハヤカワが来て牧場に行くという。花沢は用事があると言って逃れるがカツオは一緒に行くことに。嘘が露見するのが怖いカツオはサザエにハヤカワに話してもらおうとするが断られ、ハヤカワに嘘を告白しに行く。家は不在、学校では言い出せない。そして牧場行き当日、車の中でカツオはハヤカワに真実を伝えようとするが、遮られる。気づくと知らない土地を走っている。ハヤカワはカツオの様子がおかしいことに気づき、牧場に電話して姫子が貰われていった牧場を知り、そちらに向かっていたのだ。新しい牧場で姫子には友達が出来ていた。その仲の良さを見てハヤカワの父は「まるで君たちみたいじゃないか」と言う。
『マスオは本の虫』
脚本:城山昇
演出:成川武千嘉
作画監督:江沢聖三
仕上:千代間由佳
美術:矢須田綾
マスオが本を読んでいる。神社で源氏物語を読んでたら神職の衣装に驚く。自宅で読み始めるとカツオやワカメにちょっかいを出される。全員が寝て読書に集中できると喜ぶマスオ。極上作画でサザエが編み物をしていると焼き芋の屋台が来てお腹が鳴る(先週に引き続いての焼き芋ネタ)。翌日会社、アナゴが寝不足で出社。「昨夜女房と一杯やりながら話し込んじゃってねえ(意味深)」。「夫婦で会話が弾んだんならいいじゃないか(意味深)」。女性社員が巨大弁当箱を「文学」という名の本を模した箱に入れてきて驚く。アナゴは磯野家はサザエの相手をしてくれる人がいると羨むが、カツオやワカメに邪魔されることもある。帰りの電車でスーパーレアBGM。
帰り道で座って読み終わり、パトカーを見て推理小説を買って帰る。マスオの帰りが遅い。本の虫だから飲み屋の光に吸い寄せられているのではとふざけるカツオ。玄関の前で犯人を考え込むマスオを不審者と勘違いし、波平は裏口から入る。サザエが見に行く。犯人がわかって大声を出すマスオに驚くサザエ、それに驚くマスオ。古典的。マスオに勧められてサザエが本の虫に。代わりにマスオが風呂掃除。城山先生は先週で力を使い尽くしたようだ。
『ねずみとお姫様』
脚本:浪江裕史
演出:森田浩光
作画監督:三本めぐみ
仕上:中沢邦夫
美術:佐藤博
学芸会の役が決まって喜ぶワカメ。「そうだそうだ」というだけのネズミ。みゆきのお姫様を守る。カツオたちは合唱。カツオは授業がなくなるのが嬉しいだけ。みゆきは自信がないので磯野家でワカメと練習。家族も練習に駆り出す。カツオは恥ずかしい練習に付き合わされたくなくて勉強する。ワカメはネズミの衣装を作ってもらう。前日、みゆきをみんなで褒める。堀川は「ご先祖様は本物のお姫様でしょう」と謎の褒め方。カツオのクラスでは花沢が前日練習を呼びかけるが磯野と悪友達は即座に下校していた。それを見つけた花沢はダッシュで捕まえに行く。また磯野家で練習するみゆきとワカメ。みゆきの作画にフォロースルー(主な動きが終わった後に残る副次的な動き; ここではおさげの揺れ)が効いていてよかった(この動画はオリジナルのタイミングが維持されている保証はありません)。
学芸会当日、ワカメはネズミの衣装を来て登校しようとしてサザエに止められる。発表直前、みゆきは緊張して声が出なくなる。カツオが来て「ワカメにこっそり教えてもらえばいい」「テストと違って教えてもらっても怒られない」と言うとみゆきはリラックスして声が出るようになる。そこに花沢が来て練習に連れ戻す。小綺麗な格好したカツオかわいい。
学芸会は成功する。「そうだそうだ」と言うだけのワカメも晴れやかな笑顔。フォロワーシップが表現されたエピソードだった。