子供向けでシンプルながらしっかりと構成されていて視聴後感が良かった。
ストーリー
大まかな流れはシンプルで、ゲストキャラとドキンちゃんが交流して、ばいきんまんがなんか悪いことしてアンパンマンがゲストキャラと協力してそれを倒し、ゲストキャラが去る。
興味深かったのは「雲」という存在の位置づけを丁寧にやっていたことだ。
- 不定形な存在であり、いろいろな姿を持つ
- 雨を降らし、地上に恵みを与える
- 黒雲は太陽を遮り雷を落とす
これらの描写をしっかりやっておいたことで、最後にフワリーと別れるシーンがバチっと決まる。フワリーのように見える雲が雨を降らしドキンちゃんの花を育てるが、その後太陽の光を地上に届けるためには雲は去らなくてはならなかった。
アンパンマンあまりやることない
アンパンマンはゲストキャラとの交流がそれほどなく、もっぱらばいきんまんを倒す役割だった。それだと不足だと思ったのかドキンちゃんとすれ違っているフワリーと話して友情を取り戻させるシーンがあるが、やや唐突に思える。「僕の顔を食べて笑顔になった人はみんな友達」という主張はちょっと怖い。
子供向けだからシンプルな方がいいのかもしれないが、ばいきんまんが特に理由なく悪事を働き、アンパンマンが自明な正義としてばいきんまんを殴って解決するという流れはあまり好きになれない。
テクニカル
作画
冒頭ノルマのダンス。相変わらず作画かCGかわからないダンスだ。キャラデザがシンプルなのでCGでも作画に見えるのだろう。
雲というのは不定形なものなので、手描きアニメーションと相性がいい。雲の子たちがレインドロップから雲を生み出すシーンや、雲の子馬から小さい雲を作って配るシーンが良かった。
フワリーの本音を聞いてドキンちゃんが重大な気づきを得るシーンで1コマを使ったり、バトルのクライマックスで背景動画を使ったりと、アニメの構成上重要な箇所を強調するように作画技法が使われており、基本に忠実だと思った。
背景
雲がテーマのアニメなので当然だが雲の描き方が面白かった。マッスを持って縦方向に膨らむ雲と、水平方向に細長くたなびく雲の対比によって、空の広さを感じさせるようなレイアウトになっていた。
小ネタ
- バイグモラって名前なんか笑っちゃうよね
- フワリーのデザインちいかわっぽい(トラブルメーカー体質も?)
- 戦闘中に躊躇なく目潰し狙うしょくぱんまん・カレーパンマンで笑った
- 巨大アンパンマンvsバイグモラの流れは戦隊ヒーローの様式っぽさがあった
- 雲の子馬にフワリーとドキンちゃんが乗ってバイグモラと高機動戦闘するの、これって閃光のハサウェイじゃん