1話ではユウ・メルク・トトの旅立ちが描かれた。非力で怖がりなユウが誰かを助けたり、助けられたりするシーンが多かった。
1.モンスターが怖くて店に入れないユウのため、メルクがモンスターにどいてくれるよう頼んだ
2.地面に落ちそうになったメルクをユウがキャッチした
常に浮いて移動しているメルクが落下の危機ってよくわからない。
気が抜けていたとかそういうことだろうか。
「あんまり一人で突っ込んでいくなよ。瓶が割れたらどうなるかもわからないのに」
3.トトがエニグマの攻撃からユウを庇った
「メルク、大丈夫か?」
ユウはトトが自分を庇ったことにまだ気づいていない。傷ついたトトをなめるカットでユウがメルクの心配だけをしているのは、ユウの思考の偏りを強く印象づける。
「モチモチさんがユウさんを庇ってくれたのですよ」
「まさか…」
モンスターへの恐怖からか、モンスターであるトトが自分を助けてくれたことを信じられない。
トトはさらに、エニグマによって崖際に追い詰められたユウを守るような動きを見せる。
あとでわかることだが、ここでは「人を襲う」というモンスターの本能に突き動かされるエニグマを止めているシーンでもある。
4.崖から落ちそうになったトトをユウが助けた
モンスターを恐れ、信じられなかったユウだが、これまでトトの行動を見て今度はトトを助けた。
6.ユウが癒術によってエニグマを癒した
まだ世界観がよくわからないが、とりあえずこれは本能的衝動からエニグマを解放した(=助けた)ということでいいのだろうか。
「成り行きだとしても、お前さんがひとつの争いを未然に防いだことは確かさ。癒術士がいなけりゃモンスターとは戦うしか道がねえんだからな」
そんな彼が経営する店には、モンスター専用の出入り口がある。
「ここは良い村だ。辺境ながらモンスターと人間がうまく共存できている。でもな、昔のモンスターは人間を襲う存在でしかなかったんだ。癒術士が現れるまではな」
まとめ
Aパートではユウとメルクがお互いを助けるシーンがあり、2人が支え合っていることが表現される。Bパートでは善良なモンスターであるトトの献身により、ユウの素朴な助け合いの心がモンスターにまで広がる過程が描かれた。癒術を使えたから旅に出るのではなく、占いで適当に旅に出ようと決めて街に行ったらいろいろあって癒術を使ったというのは運命的で面白い。
しかし、本能的衝動を消されることはモンスターにとって幸せなことなのだろうか。「言葉通じない」とユウが言っているので確認する方法はないのだろう。人間に都合の良い行動を取るように洗脳することを「癒やす」と表現しているのは気になる。シリアスな作品であればそこを掘り下げ、「癒やされていないモンスターは人間を襲う習性がある」というこの世界のルールと対峙することになるだろう。そうでないのならモンスターのこの習性は、誰にも悪意がない優しい世界にトラブルを巻き起こすための便利な設定として使われるのだろう。