※本記事内の画像は注記があるもの以外はアニメ『メジャーセカンド』第23話より研究のために引用したものであり、それらの権利はNHK・小学館集英社プロダクションに帰属します。
『メジャーセカンド』23話は東斗ボーイズとの決着の回。試合のクライマックスだ。
絵コンテ・演出は外山草(@swingzoo_Toyama)。
空と雲の変化
原作のマンガには空と雲に吹き出しだけが乗ったコマが時折挿入される。空は野球のグラウンドから見える普遍的な遠景であり、敢えて人物やアイテムを描かないことで台詞を強調している。
満田拓也(2017). MAJOR 2nd 9 小学館
アニメではそれらの空のカットにアニメならでは色や動きの変化が加えられ、さらなる意味を与えられている。
道塁は監督から敬遠を指示されるが納得せず、反論する。
- カメラがPANする。
監督が敬遠を撤回する
- 空のカットがもう一度挿入され、今度はFIXになっている。
- 道塁の想いが監督に聞き入れられ、集中を取り戻したことが視覚的に表現されている。
アンディの負傷で永井が代打
- 雲の流れが速くなっている
- 負傷というアクシデントによって試合が予想できない展開を見せ始めたことの表現
最終回裏で意気込む卜部
- 雲が多く厚く、暗くなっている
- 未来の不幸な展開を予期させている
- 原作では「なんとなく良くないことが起ころうとしている…」という大吾のモノローグがある
- 卜部の突き指による降板
- 光の脳震盪
- チームの敗北
突き指で追い詰められる卜部
- キャラクターと背景のズーム速度をズラすことで背景の暗い雲がこちらに迫ってくるような画面にしている
- 上記の不幸な予感が実現しつつあることの表現
吾郎と光が衝突しフライを取り損ねて負ける
- 暗い雲+流れが速い
光が倒れて起き上がらない
- 回転カメラワーク+露出が高め
- 光の負傷とチームの敗北に唐突に直面して大吾が打ちのめされている
- 貧血で平衡感覚が失われ視界が白くなるようなイメージ?