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『キャプテン翼(2018)』OP モチーフによる流れ・意味の付与

· 3 min read

※本記事内の画像・動画は『キャプテン翼』OPより研究のために引用したものであり、それらの権利は高橋陽一/集英社・2018キャプテン翼製作委員会に帰属します。

絵コンテ・演出 ソエジマヤスフミ

ボールや翼と関係がある鳥と地球のモチーフを随所に散りばめ、全てのカット間に意味的・図形的な関連を持たせて映像に流れを与えるとともに、各カットにもモチーフの象徴的な意味によって重層的な意味を持たせている。

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鳥をデザイン化した絵によって鳥と飛行機の関連性を提示している。
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走る翼が鳥に変化するカットによって翼と鳥の関連性を提示している。そもそも翼という名前自体が鳥と関連が深い。
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どこにでも自由に飛んでいける鳥を介して静岡でサッカーをする翼と船乗りである父を接続している。
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さらにブラジル(→日本)へのダイナミックな空間的移動を地球のモチーフや緑・黃・赤の三色の帯(ブラジルと日本)、空港の表示板を用いて滑らかに表現している。
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ブラジルから来た師匠を飛行機→鳥→サッカーの試合とつなげる。ここでボールを蹴っているのは翼だと僕は思う。

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オーバーヘッドシュートの直前にボールに鳥の翼が写り込んでいる。翼を持った鳥のようにどこまでも飛んでいくシュートとも読めるし、鳥(=飛行機)が繋いでくれた父と師匠に見守られたシュートであるという読み方もできる。
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翼がサッカーを通して世界的な名声を獲得していくことのイメージかな。

今回はモチーフの使い方に絞って紹介したが、単純なデザイン的センスやサッカーの作画も素晴らしい。サビの一連ではCG背景を上手く活用し違和感のない程度に身体能力を誇張した、ハイセンスな作画が見られた。