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『羅小黒戦記(日本語版)』を見た

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去年字幕版を見ていたので視聴は2回目。前回は中国人で満員でギャグシーンへの反応がよかったが、今回は日本人がまばらにいるだけでギャグへの反応は弱く、視聴体験としてはイマイチだった。

映像のクオリティに関しても去年の記憶が美化されすぎて期待ほどではなかった。1年間で映像の平均レベルが向上し、撮影の薄さが物足りなく感じるようになったというのもあるかもしれない。作画がいいと思うのはギャグや芝居のシーンであって、アクションの作画は速すぎてよく見えなかった。スーパーパワーの衝突ですごいことが起きているのを表現したいのであって、別にカッコいい絵を見せたいわけではない絵コンテだったと思う。

ストーリーに関して、少数民族の同化政策を肯定する内容だという意見がある。僕もそう思っていたが、改めて見ると単純な肯定ではない。故郷を追われたフーシーの主張をたっぷりと喋らせ、イメージ映像まで載せているわけで、傷つく人間がたしかに存在しているということを真面目に描いていると思う。最終的にはシャオヘイがフーシーに勝つわけだが、フーシーが悪だったかという問いには作品としてはっきりと「明言しない」という態度を取っている。なお、去年見たときは中国当局のチェック済みのロゴが載っていたが、今回はなかった。

シャオへイはフーシーとムゲンの間で揺れ動くが、最後にはムゲンを選ぶ。だがフーシーの故郷への思い、妖精としての感情を否定したわけではない。フーシーは理想に拘泥してシャオヘイを犠牲にしたが、ムゲンは「シャオヘイには私しかいない」と言ってシャオヘイを想って行動し続けた結果だ。

去年に比べて私自身の人生に変化があり、「どこで生きるか」「誰とともに生きるか」ということをよく考えた。このアニメもまさにそういう話であって、まさに時宜を得たアニメ視聴で満足度が高かった。