※本記事内の画像・動画はアニメ『泣きたい私は猫をかぶる』より研究のために引用したものであり、それらの権利は「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会に帰属します。
アイス
ムゲは賢人のことを想いつつ、アイスを下品に口から出し入れしながらしゃぶる。
松の花
上記のアイスのシーンに合間に、たっぷりと花粉を蓄えたマツの生殖器官が映る。性の季節である。
ティッシュ
ティッシュは何らかの体液を拭き取るために使われる(『つぐもも』8話を参照のこと)。
本作におけるティッシュの出現頻度は高い。
笹木家リビング(2つある!)
家族が集まる部屋であるリビングに2つティッシュを配し、濃密な性の匂いを漂わせている。ムゲとは血のつながりのない薫が、洋治との性的な関係に基づいて家族として結び付けられていることを表現している。
ムゲの自室
勉強机ではなく、よりパーソナルな空間であるロフトベッドの下に置かれていることに注目。使用済みティッシュが大量に詰め込まれたゴミ箱も映っているところがポイント高い。
日之出家リビング
こんなところに置く?
賢人の自室
勉強机に置かれている。「自分が誰に支えられているのか。誰に元気づけられているのか」というセリフに合わせてティッシュが映るのが面白い。
なお、賢人の自室には地球儀・恐竜の模型・野球グローブ・PS3などが置かれている一方で、自分で作ったであろう陶器はない。賢人の個性があまり表れておらず、過剰に「普通の中学生」っぽさを表現しているように見える。どういう狙いだろうか?
陶芸
夜に一人で手を汚しながらなにかをいじっている。
電灯の紐
夜、自室で一人で寝転がっている少年。その上で揺れる電灯の紐は、自慰のメタファーである。 『月がきれい』でも電灯の紐は自慰のメタファーとして用いられた。
腹がチラ見えしていてエッチ。
終わりに
岡田麿里が性欲にフィーチャーしたアニメを得意としていることは有名だ。スタジオコロリドも『陽なたのアオシグレ』『台風のノルダ』『ペンギン・ハイウェイ』など、中学生以下の子供のストレートな性欲に優しい絵柄を組み合わせて臭みを消す作品を得意としている。岡田麿里とスタジオコロリドが組んだ『泣きたい私は猫をかぶる』はどういう作品になるのだろうと期待していた。
ストーリーについて
あまり面白くはなかった。総合的な評価はあでゆ氏のレビューに概ね賛同する。これは岡田麿里の癖だと思っているが、過剰に複雑な心情を描こうとしてモノローグに頼ってしまう欠点を感じた。作り手はストーリーを理解しすぎているがゆえに、ロジックが通ってさえいればどれだけ複雑でも視聴者はついてこられると思ってしまうのだろうか。最後にある敵を倒して終わるのだが、主人公たちの能力や信条と無関係な勝ち方をしてしまったので、その勝利にどのような意味があるのか、何を表現したかったのかがわからなかった。
ショタアニメとして
日之出賢人を演じる花江夏樹は14歳の少年を演じるプロである(『凪のあすから』『四月は君の嘘』『世界征服〜謀略のズヴィズダー〜』『とある飛空士への恋歌』『双星の陰陽師』『クジラの子らは砂上に歌う』『ラストピリオド -終わりなき螺旋の物語-』『星合の空』)。彼を起用して、岡田麿里でスタジオコロリドなので濃密なショタアニメになると期待していたのだが、そうでもなかった。賢人の物語ではなかった。
というわけで真面目な考察は断念し、断片的な描写を拾い集めて怪文書を書くことにした(もとよりこの方が性に合っている)。