※本記事内の画像はアニメ『アイ★チュウ』第2話より研究のために引用したものであり、それらの権利はエルドール広報課に帰属します。
アイ★チュウ2話は3つのエピソードが並行する。
- A. 星夜とノアの過去と現在
- B. I♥Bが結束する
- C. ArSのアキヲがアイチュウに楽しみを見出す
こういうとき、3つのエピソードが関わり合って進んでいくのが定番だが、この話数ではAとBが結びついている一方でCは浮いている。
AとB
AとBのキーワードは「一緒に歌う」だ。
ノアは星夜と一緒に歌った経験からI♥Bを結成したが、上手くいかない。ネットでは音楽でだけつながっていることができたが、現実に同居してアイドルグループを結成するとなるとお互いの距離感がうまくつかめない。
夕食にはそれぞれの母国の料理が供される。豪華な料理を5種類バラバラにつくるのは大変なことであり、その手間の大きさが逆説的に5人の心理的な距離の遠さを強調する。
そこでノアは敢えて音楽とは関係ない共同作業として料理を提案する。できたカレーはまずいが、I♥Bの結束は強まった。この変化は演奏シーンの演出で表現されている。
before after
- 全員が同じ方向を向くのではなく、円形に互いの姿が見えるような配置に変わっている
- カメラが接近し、パースが強くなり、アングルがアオリに変わっている
- 視聴者が5人の演奏に加わっているかのような臨場感
- 画面上で5人の立ち姿が平行だったのが放射状になり、絵的なまとまりが強くなった
- 演奏中にアイコンタクトしている(アイコンタクトの描写ははbeforeでもあるが、増えたと言っていいだろう)
演奏シーンはこの作品にしては相当頑張って動かしていたし、楽器の描き込みも多い。ちゃんとここを見せる必要があるという演出意図に基づいてリソースが配分されており、良い。
こうして理想の音楽を取り戻したノアに対して改めて星夜が思い出を語る。数日間の話であるエピソードBの終着点が数年越しのエピソードAと重なる美しい構成だ。
C
これに対してエピソードCは浮いている。
アキヲがI♥Bの練習に乱入してしまうシーンがあったが、特にお互いの考え方に変化をもたらさなかった。存在価値がわからないシーンだ。
もう一つ、I♥Bのカレーシーンの直後に対比のようにArSが虎彦のお土産のお菓子を食べるシーンがある。これもあまりよくわからないのだが、敢えて意味を見出すとすればBは「メンバーがグループを強くする」エピソードであり、それに対してCは逆に「グループがメンバーを強くする」エピソードなのかな。いろいろなグループ、いろいろな関係があるよという話か。
もうちょっとAやBと上手く絡めて構成できればと思った。
構成(おまけ)
アバン
ノアの回想(with星夜)
F∞Fのレコーディング
星夜とノアの再会
A
- 星夜とノアの再会(続き)
- (ノアは)どうしてアイチュウになったんだろう
- ArS紹介
- アキヲだけが焦っている
- こんなユニットあり?
- F∞F写真撮影
- ノアはどうしてアイチュウになったんだ?校長のスカウトだよ
- I♥B練習
- ギスギス
- アキヲが乱入
- 服を直す
- アイチュウやっていく自信がなくて
- わかります、俺もないんです、自信
- やる気のないやつは出ていけ
アキヲ、森へ脱走
I♥Bホーム
- それぞれの国の料理
- バラバラだ…
- リーダーとして踏ん張りどころでは
アキヲ退学届
I♥Bホーム(朝)
B
- I♥Bホーム(料理)
- カレー作り
- 「みんなで同じ料理を食べたいんだ」
- 「イギリスはインドと縁が深いからな」
アキヲ退学届提出失敗
I♥Bホーム
- カレーがまずい
- ArSホーム
- 虎彦のお土産食べる会
- アキヲの自己開示
- 「面白い!」
- ArSレコーディング
- 「この人たちめちゃくちゃだ。でもこんな自由でキラキラしてるユニット他にないかも」
F∞F CD完成
I♥Bレコーディング
- 「音楽は一人でもできるしどの国にいても曲は作れる。でも、近くにいる誰かと響き合えれば、もっといい音楽が生まれる」
- 星夜突入
- 「誰かと一緒に歌うのってすっげえ楽しいって」
C
- アキヲが退学を思いとどまる